発達障害の子との毎日

発達障害の子供との日常を綴っています。真面目な話あり、くだらない話ありです。

自閉症のこだわり① 完璧な形。

ここ1週間ほど風邪の症状が続いておりますmamemuchiです。あなたは体調崩していませんか?こんなに長引くの、珍しいです。でも病院に行くのは面倒で、何とか自然治癒力で治したいです。

 

ところであなたや家族には「こだわり」って、ありますか?自閉症の特性はいろいろありますが、その中の1つに「こだわりの強さ」があります。シュウも例に漏れず、こだわりは強い方です。まぁ様々なこだわりを持っているのですが、今回は「完璧な形へのこだわり」について話したいと思います。

 

物には「あるべき形」があります。少なくともシュウはそう思っています。スライスチーズは四角い魚肉ソーセージは細長い棒状ウインナーに串を指す場合、串はキレイに真ん中を通っているべきアイスのコーンはほんのひとかけらですられていてはいけない、アイス部分も型崩れはありえないクッキー割れている物は不良品お菓子やアイスの箱は、開け口から寸分の狂い無く開けるべきお菓子やパンの袋も、適当に破いて変な裂け目が出来るのは言語道断ペットボトルはほんのわずかの凹みも許さない・・・等です。

こうして書き出してみますと、食べ物関係ばかりですね。食事は毎日の事ですから、毎回毎回食事の準備は気が抜けません。上記の逆鱗に触れると大変な事になります。それまでの上機嫌は一瞬にして崩壊してしまいます。

 

スライスチーズって、フィルムにくっついて上手く剥がせない時があるじゃないですか。それで、角だけピっと切れちゃったりとか。そうなるともうダメです。シュウは怒ります。切れたチーズは絶対に食べず、新しいのじゃないと納得しません。

 

魚肉ソーセージも、フィルムから綺麗に出すのって案外難しくないですか?やけに多く身をフィルム側に持っていかれてしまったり、途中でソーセージに切れ目が入ってしまったり。これらもアウトです。傷ついた魚肉ソーセージは食べません。

 

ウインナーを串に刺す場合、きちんと真ん中に通せずに、ウインナーを突き破ってしまう事があります。こういうのもシュウの嫌悪の対象になります。せっかくキレイな1本のウインナーなのに、そのウインナーの横っ腹から串の先が飛び出してるなんて、こんな雑な仕事があるかと言わんばかりに、烈火のごとく怒り狂います。

 

アイスが好きなシュウの為に、冷凍庫にはアイスを買い置きしているのですが・・・これも種類を考えないとトラブルの元になります。コーンの一部が砕けているとダメです(食べる事に支障が出るほどではない)。アイス部分の形が崩れていたり、中身のチョコ等が飛び出してしまっている物も拒否です。見た目も味のうちのようです

・・・これって、開けてみないとわからないから困るんですよねぇ。私は購入して自宅に持ち帰るまで、運搬には細心の注意を払っています。でも、お店にある時点で既に割れていたり、形が崩れている場合もあるじゃないですか。アイスは温度変化や衝撃に弱いですからねぇ。

クッキー類も、割れている物は絶対に食べません。

 

そして食品そのものだけではなく、直接味には関係しないパッケージにもこだわりを持っているので面倒です。こちらも食品そのものと同様、雑な扱いは一切許されません。開封する際は丁寧な仕事を求められます。「開封の為のミシン目を無視してビリビリっ!」「開けにくい袋だからと縦に裂くように開けて、袋のデザインを損なってしまった。」・・・なんて、シュウには到底許容できない愚行のようです。

 

ペットボトルの形の歪みもシュウは大嫌いです。とある休日、私はシュウを連れて買い物へ。シュウはアクエリアスを欲しがりました。500mlペットボトルのそれが大好きなのです。私が買っていいよと許可すると、シュウは売り場から1本手に取りました。そのままレジへ。順番待ちをしながら手にしたアクエリアスを眺めていたシュウ。ハっと何かに気づき、突然私に訴えかけてきました。

 

あ?! おかあさん!これはダメだ! ブツってなってる!!!

 

よく見ると、ペットボトルの一部分が少し凹んでいたのです。それくらいいいじゃないかと私は思うのですが、シュウは許せない様子。「じゃあ取り替えておいでよ。ここで待ってるからさ。」と私が言ったら、シュウはアクエリアス売り場にすっ飛んで行きました。そして無事、綺麗なペットボトルを手にして満足げに戻ってきました。

 

何故彼はそこまでして見た目にこだわるのでしょうか・・・。私自身はその手の事をあまり気にしないタイプなので、正直ものすごく面倒くさいです。

贈答品ならともかく、自宅用。自分用ですよ。しかもケーキや高級和菓子みたいな、見た目が重要な商品でもないし。私はシュウとは逆で、缶詰でもペットボトルでも、凹んでいる物があれば意図的にそれを選びます。「避ける人は避けるだろうなぁ。でも私は中身さえ無事なら気にならないから、売れ残らないように買っておこう。」と、考えるからです。独身時代からそうでした。

それがまさか、自分の子がその手の見た目にこだわるタイプとは・・・。

 

まぁこだわりって誰にでも、大なり小なりありますよね。「マヨネーズはキユーピーが1番。」とか「ご飯は硬めがいい。」とか。けれども、どうしようもない時は妥協できる場合がほとんどだと思うんですよ。「キユーピー売り切れ?! ・・・しょうがない、今回は別ので我慢するか・・・。」とか「ご飯の水加減間違えたー。ま、今回はしょうがないか。」とか・・・。日常生活に支障は出る事は少ないでしょう。

ところが自閉症児のこだわりは極端で、なかなか妥協してくれません。諦めてくれません。しょうがないねって思ってくれないのです。

こだわりがあるという事自体は悪い事ではありません。「こだわれる」という事は「これまでに見聞きした事をちゃんと覚えている」という事ですから。何を見ても聞いても、右から左にすぐに忘れていく・・・という事であれば、こだわる事なんてできませんからね。・・・これって療育の先生の受け売りなんですけどね(笑)

ですから、悪い事ではない。悪い事ではないのですが・・・あまりにも融通が利かず、妥協してくれないのは、日常生活においては困りものです。

 

まぁ食事の準備をするのは私です。つまり今回挙げたようなシュウの地雷は、私のやり方次第では踏まずに済むのです。実際には時間がなかったりウッカリしていたりで、思いっきり踏み抜いてしまう場合もありますが・・・精進したいなと思います。

 

それではまた次回。

 

↓にウインナーを刺す時に、失敗するとシュウ激怒です・・・。