発達障害の子との毎日

発達障害の子供との日常を綴っています。真面目な話あり、くだらない話ありです。

発達障害、自転車は危なかった。

運転免許の更新で視力を測りました。今までは、眼鏡使用が運転条件でした。ところが今回は、裸眼でも大丈夫との測定結果が出ました。いつの間にか回復しています。まぁもともとギリギリな数値で、極端に目が悪いわけではなかったのですが・・・何か嬉しいです。こんにちは、mamemuchiです。

私は一応運転免許を持っていますが、普段は自転車移動が多いです。シュウを後ろに乗せて、走っています。シュウが1歳の頃から自転車には乗せてきました。小さな頃から乗り物が好きだったシュウは、初めて自転車の前に乗せられた時も全く嫌がりませんでした。機嫌が悪い時でも自転車で走ればご機嫌でした。

それまではベビーカー移動が多かったのですが、ベビーカーだと短時間で不機嫌になってしまっていました。ベビーカーも一応「乗り物」ですが、スピード感がないからあんまり好きじゃなかったのかな・・・。

背が伸びてからは後ろに乗せるようになりました。そうして、幼稚園に行ったり買い物に行ったりしました。毎日の様に2人で1台の自転車に乗りました。しかしそれも3月でおしまいです。小学生はもう、後ろに乗せられませんものね。何だか寂しいです。

 

そんな風に、基本的には私の後ろに乗っている事が多いシュウですが、子供用自転車も一応所持しています。年少になってから購入しました。三輪車は持っていませんでした。いきなり自転車です。

自転車購入のきっかけは、「幼稚園でシュウが、三輪車で楽しく遊んでいた」事です。幼稚園の先生から、「自分の順番が来ると喜んで乗り、地面に書いた道に沿って楽しそうに走っている。」という話を聞き、興味があるのならばと購入しました。

自転車が届くとシュウは喜び、すぐに乗りたがりました。「三輪車と自転車では脚の向きが違うので、慣れないうちは難しいかも。」という話を聞いた事がありましたが、シュウはすぐに上手にペダルを漕ぎ始めましたね。

自宅周辺の道を走りました。補助輪が付いているので楽々でした。極端に斜めになっている道だとバランスを崩していましたが、平坦な道や多少のデコボコ道は大丈夫でしたね。

 

さて。そんな補助輪付自転車ライフを楽しんでいたシュウですが、年中後半くらいからだったでしょうか・・・。補助輪を外したいと主張を始めました。きっかけは、YouTubeで観たノンタンの動画でした。「補助輪、まだ外してないの~?」みたいな話があったんですよね。

通常ならば、子供からの「補助輪外したい」宣言は喜ばしい事だと思うんですよ。巷では「なかなか補助輪が外れない。」とか「そもそも子供自身にやる気がない。」とか・・・保護者さん達の悩みは多いみたいですからね。

しかし私の胸中は複雑でした。「補助輪を外して乗る」という事は、「ある程度スピードを出して乗る」という事ですよね。補助輪付の時みたいなのんびり走りだと、倒れてしまいますから。

そうなると私は今までの様に、歩いて(あるいは小走りで)ついていく事は出来なくなります。私も自転車に乗って、一緒に走る事になります。しかしそれだと、危なそうな時にシュウを止める事ができません。

 

シュウは残念な事に、交通ルールを守る事が出来ないのです。

 

ただ、全くルールを理解していないというわけではないのです。一応、ルール自体はわかっています。信号の赤青黄色の意味や、道路に飛び出したら危ないという事などは。しかし、わかっていても守れないのです。

発達障害児の場合、極端に不注意だったり、同時に複数の情報を処理するのが苦手だったりします。シュウもまさしくそういうタイプなのです。

自転車で移動となると、早いスピードで自転車を漕ぎながら周囲の状況を確認しつつ、次の自分の行動を瞬時に決めなければなりません。シュウにはハードルの高い事案です。

ですから、シュウの申し出には本当に悩みました。危険があるのは容易に想像できる。しかし、本人の自主性は尊重したい。小さいうちに乗れるようにならないと、大きくなってからでは難しいかもしれない。小学校に入ってから、自分だけ乗れないとなると不都合が生じるかもしれない

 

・・・悩みに悩んだ結果、とりあえず要望通りに補助輪は外す事にしました。まぁ・・・習得が困難で諦めてくれるかもしれないし(それはそれで残念な気もしますが・・・本当に複雑なんですよ)。

ところがそんな私の複雑な胸中を余所に、シュウはすぐに補助輪無し自転車に乗れるようになりました。最初のうちは私が後ろから支えてあげたり、ハンドルを持ってあげたり等のサポートをしました。しかし、それも結構疲れる作業です。私はサポートを中断し、シュウに背中を向けるような体勢で、外した補助輪を片付けていました。

すると、「おかあさーん。みてみてー。」というシュウの声が、背後から聞こえてきました。振り返ると、シュウがスイスイと自転車を走らせていました

 

え?もう?しかも、乗れた瞬間見逃したし。

 

こうしてシュウは年中の春休みに、あっさりと補助輪無し自転車に乗れるようになってしまいました。嬉しい事なのか悲しい事なのか、もはや私は判別できませんでした。

 

自転車に乗れるようになってから少しの間は、自宅近辺の道を走らせていました。大通りではなく、住宅地の中です。広い公園や広場が近くにあれば良かったのですが、生憎そういった類の場所は遠方にしかないのです。

しかし、やはり同じ道ばかりでは飽きてしまいます。シュウの要望もあり、大通りも走ってみる事にしました。私は細心の注意を払い、随時シュウに指示を出しながら一緒に走りました。それを何日も行いました。

その結果、当初の予想通り、シュウの運転は危険が多いという事がわかりました。

 

・赤信号の意味はわかっていても、他の事に気を取られてウッカリ渡ってしまう。

片側しか確認せずに、道を横切ってしまう。反対側の存在を失念してしまう。

物事の判断に時間がかかり感覚も鈍いのでブレーキが間に合わない場合がある。そ 

 の為、道路に飛び出してしまったり、障害物にぶつかってしまったりする。

・まっすぐに走れず、蛇行するように走ったり、知らず知らずのうちに車道側に出てし 

 まったりする。

 

・・・等が頻発しました。これではいつか大事故に繋がります。私も、ものすごく精神力を消耗しますしね。本当に一瞬たりとも目が離せませんし、気が抜けないんですよ。

 

そんなわけでシュウに申し訳ないですが、現在は自転車使用は控えてもらっています。シュウは乗りたそうにしていますけどね・・・。最低限の交通ルールが守れないとなると、とてもじゃないけれど公道には出せません。

今後、もっと注意力がついて、行動や判断も正確にできるようになったら。その時はまた自転車を許可しようと思います。長期間自転車に乗らずに過ごしているので、乗り方を忘れてしまわないか心配は少しあるんですけど・・・。でも人間って、一度覚えた事はそう簡単に忘れないようにも思います。

私も自転車は高校卒業以来乗っておらず、久々に乗った時には既に10年以上が経過していましたからね。それでも最初はふらつきつつも、すぐにスムーズに乗れるようになりました。シュウにも、きっと出来ると思います。

 

他の発達障害の子たちは、どうしているのかなぁ。症状の程度にもよるので、全く問題なく自転車を使用している子もいるでしょうが・・・。そういう子の事は正直、羨ましく思ってしまう私です。

それではまた。